「汗っかき」の人、私です。
「多汗症」と「汗っかき」。大量の汗に悩まされるという点では、似ています。「ただの汗っかきか、多汗症なのか」「冬でもおかまいなしに汗が出るものなのか」気になったので、調べてみました(もちろん最後は、お医者さんに判断してもらってください。)
1.「汗っかき」と「多汗症」
「多汗症(たかんしょう)」は、汗の分泌量が過剰な状態のことを言います。
本来の体温調節に必要な量を超え、異常に発汗し、日常生活に支障をきたす。寒い時期に汗をかくのも、症状の一つです。
「汗っかき」との区別が難しいですが、「他の人は汗をかかない状況でかく」のであれば、多汗症の可能性が高まります。
多汗症の汗は、「エクリン腺」と呼ばれる汗腺から分泌される、いわば”普通の汗”です。「汗のニオイの原因」にも書かせていただきましたが、「ワキガ」の原因となる汗腺とは異なり(ワキガの場合はアポクリン腺)、汗自体のニオイはほとんどありません。もちろん、放置しておくと雑菌によって汗臭くはなりますが、多汗症における深刻な問題は、”異常な発汗量”です。
多汗症の特徴
「多汗症」と「汗っかき」は異なります。専門医でないと区別は難しいようですが、大きな違いとして
「体温調節のために多量の汗が出る」のが”汗っかき”
「体温調節とは関係なく多量の汗が出る」のが”多汗症”
なのだそう。寒くても脇汗が止まらない私は、(この情報だけだと)多汗症っぽいです。
また、多汗症の原因は”交感神経の失調”で、精神疾患ではありません。精神的なストレスが原因で発症することもありますが、多汗症自体は身体的な疾患。
先天的な多汗症は、「原発性多汗症」と呼ばれ、思春期までに発症します。後天的な多汗症は、「続発性多汗症」と呼ばれ、人生のどのタイミングでも発症の可能性があります。
多汗症のレベル
手の平から多量に発汗する「手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)」は、その程度によって3段階のレベルに分けられます。数字が大きいほど、症状が重くなります。
「医療法人社団あんしん会 四谷メディカルキューブ」によると
レベル1:手の平が湿っている程度。光を反射して光る。
レベル2:手の平に水滴ができて、見た目でもはっきりとわかる。
レベル3:盛んに水滴ができ、汗が滴り落ちる。
手の多汗症は日常生活に大きな支障をきたしますので、早めに診察してもらった方が良いでしょう。
2.多汗症の原因
多汗症の大きな原因は、「交感神経の失調」のようですが、詳しくは解明されていないそう。
後天性タイプで「急に発汗が増えた」という場合、ひどいようなら早めの診療をおすすめします。
多汗症の他に原因となる病気がないのを「原発性多汗症」、何かしらの病気が原因となっている多汗症を「続発性多汗症」と呼びます。
ストレスによるもの
交感神経の失調が多汗症の原因ですから、不安や緊張などの精神的なストレスが与える影響は大きい。
緊張・興奮すると、交感神経の働きが優位になりますが、一時的な緊張による発汗であれば、多汗症とは言いません。しかし、ストレスが原因で、日常生活に支障をきたす量の発汗が見られれば、多汗症を疑って構いません。
ホルモンバランスによるもの
特に”月のもの”がある女性が、ホルモンバランスの乱れで多汗症になるパターンが多いようです。ホルモンバランスが乱れると、交感神経のバランスも乱れやすくなります。
遺伝によるもの
意見の分かれるところで、遺伝を完全否定しているお医者さんもいます。しかし、そうでないお医者さんもいて、”先天的な「原発性多汗症」は遺伝すると推測されている”ようで、現段階では遺伝による可能性を完全否定できません。
生活習慣によるもの
あらゆる疾患に言えることですが、やはり偏った食生活、肥満、運動不足やタバコなどが身体に与える影響は、バカにできません。カフェインを含むコーヒーなどは交感神経を刺激するので、症状を悪化させる可能性があります。
別の疾患
甲状腺の異常や糖尿病、更年期障害による発汗異常が、よく知られています。ある時期から急に多汗症の症状が出たのであれば、他の疾患の可能性も考えて、医者に相談してください。
3.多汗症の種類
多汗症は、全身に多量の汗をかく「全身性多汗症」と、体の特定部分に多量の汗をかく「局所性多汗症(限局性多汗症)」があります。
全身性多汗症
全身に大量の汗をかくタイプの多汗症。全身性多汗症の患者さんは、多汗症患者の約1割と少なく、局所性多汗症に比べて治療が難しいと言われています。
更年期障害やバセドー病、糖尿病など、別の疾患が原因となることもあります。
局所性多汗症
身体の特定の部分に大量の汗をかくタイプの多汗症です。多汗症のほとんどが、これに当てはまります。
・手の平から多量に発汗する「手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)」
・足の裏から多量に発汗する「足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)」
・脇の下から多量に発汗する「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」
・頭部から多量に発汗する「頭部多汗症(とうぶたかんしょう)」
・顔面から多量に発汗する「顔面多汗症(がんめんたかんしょう)」
一か所ではなく、複数の部位から多量に発汗するケースもあります。局所性多汗症は、「交感神経が過敏」な人に発症しやすいようです。
私の場合、温度に関係なく汗をかくのは「脇の下」と「手の平」。少し動いただけで汗が吹き出るのが「頭部」と「尻」「上半身」。「汗っかき」なのは間違いないですが、「多汗症」も考えられます。
4.多汗症の雑学
『北千住クリニックのわきが多汗症治療(HP)』によると、欧米では意外にも「ワキガの臭いは治療の対象にならない」らしいのです。人口のほとんどが、多かれ少なかれワキガなので、そうなのかもしれません。一方、ワキガ率の少ない日本、韓国、中国、台湾などの東アジア諸国では、ワキガ手術が一般的です。
じゃあ欧米諸国は汗の治療をしないのか?というと、そうでもないようで、「多汗症に対する治療」には積極的らしいのです。「ハグの習慣」など、身体的距離感が近いのも理由の一つかもしれません。確かに、汗を止める制汗剤で”よく効く”ことで有名なのは、海外メーカーのモノが多い気がします。
以上です。
ありがとうございました。
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